GUNMA
須藤牧場 さま
「チーズ1個でも気軽に買える」牧場の無人販売を叶えた自販機

「牛のホステル」をコンセプトに、牛へのおもてなしを大切にした牧場づくりを行う「須藤牧場」様。
スタッフ一人ひとりがおもてなしの心を持って牛と接し、牛が快適に過ごせる環境づくりを大切にされています。
また、地域の農家と連携し、地元で育てられた米や麦、トウモロコシなどを牛の飼料として活用。
その飼料を食べた牛から搾った牛乳を使い、牧場でチーズの加工まで行っています。
地域とのつながりを大切にしながら、牛を育てるところからチーズづくりまで取り組まれている牧場です。
Q.ボードステーションを導入しようと思ったきっかけを教えてください。
須藤牧場様では、自社で製造したチーズを直売所などへ卸すほか、牧場でも直接販売を行っています。
自販機を導入する以前、牧場で商品を購入する場合は完全予約制。事前に注文を受け、お客様が牧場まで商品を取りに来る形で受け渡しを行っていました。
しかし、チーズ1個を購入するために予約をして牧場へ取りに行くとなると、お客様にとっても少しハードルがあります。特に近所の方や顔見知りの方ほど、「わざわざ対応してもらうのは申し訳ない」と気を使い、購入を遠慮することもあったそうです。
一方、スタッフ側もお客様が来る時間を気にしながら仕事をする必要があり、製造などの作業を途中で止めて対応することも。
店舗を構えて販売スタッフを配置するにはコストもかかることから、「いつ来ても気軽に購入できるようにしたい」と考え、24時間販売できるボードステーションを導入されました。

Q.導入後の変化はいかがでしたか?
自販機を設置してからは、あらかじめ商品を補充しておけば、お客様自身で好きな時間に購入できるようになりました。
スタッフも受け渡しのために時間を空けたり、作業を中断したりする必要がなくなり、製造など本来の業務に集中しやすくなったそうです。
また、以前は購入を遠慮していた近所の方も、自販機ならスタッフに声を掛けずに購入できるため、気軽に利用してくれるようになりました。
犬の散歩の途中や仕事帰りに立ち寄る方もおり、予約して商品を受け取る販売方法から、「欲しいと思ったときに立ち寄れる販売場所」へと変化しています。
Q.牧場へ視察に来られる方にも利用されているそうですね。
須藤牧場様には、牧場の取り組みを学ぶために多くの方が視察に訪れます。
牧場へ到着した際に一度自販機を目にしてもらい、視察を終えて帰る際にもう一度見てもらうことで、「せっかくだからチーズを買って帰ろう」と思ってもらうきっかけにつなげています。
実際に、大型バスで約20人の視察客が訪れた際には、自販機の売れ行きも特に良かったとのこと。
牧場で作られたチーズをその場で購入できることに加え、「チーズを販売している自販機」という珍しさも、視察客の興味を引くポイントになっています。
Q.現在、自販機ではどのような商品を販売していますか?
自販機では、須藤牧場様が製造する3種類のチーズを中心に販売しています。
中でも一番人気なのが、プレーンタイプのモッツァレラチーズです。また、自社商品だけでなく、地域の事業者とコラボした商品も販売。
東京から移住してきた方が自然農法で育てたカボチャやズッキーニなどを使った野菜のピューレも取り扱っています。
今後は、飲むヨーグルトや地元の販売店の牛乳などについても、自販機での販売に向けた話を進めているそうです。さらに、地域のレストランで須藤牧場様のチーズを紹介してもらい、食事をしたお客様がその後、自販機までチーズを買いに来ることも。
自社商品の販売だけでなく、地域の事業者とのつながりを活かした販売場所としても活用されています。

Q.SNSを活用したユニークな販売方法も取り入れているそうですね。
チーズは販売できる期間が限られているため、タイミングによっては商品が残ってしまうことも。そこで取り入れているのが、「ワンコイン販売」です。実施する際には、InstagramやLINE公式アカウントで告知しています。
何の商品が出てくるかは購入してからのお楽しみという形で、商品を500円で販売しています。お客様からの反応も良く、お得に購入できる楽しさをつくりながら、販売期間が近づいた商品をできるだけ無駄にしない工夫にもつながっています。

Q.自販機のデザインでこだわったポイントを教えてください。
須藤牧場様がボードステーションに魅力を感じたポイントのひとつが、機体全体をラッピングできることでした。今回、自販機のデザインを担当したのは、須藤牧場様のホームページを制作したデザイナー。
ホームページと自販機を同じデザイナーに依頼することで、色合いやイラスト、全体の雰囲気を揃え、牧場の世界観を統一されています。一般的な自販機のイメージにとらわれず、牧場の雰囲気にも馴染むデザインに仕上げることで、商品を販売する設備としてだけでなく、須藤牧場様らしさを伝える存在にもなっています。

Q.今後、自販機をどのように活用していきたいですか?
現在の課題として挙げられているのが、自販機そのものの認知です。導入してまだそれほど時間が経っていないことから、まずは「牧場にチーズを購入できる自販機がある」ということを、より多くの方に知ってもらいたいと考えられています。
現在は地域の回覧板への掲載などで周知を進めており、今後はInstagramでの情報発信や、道路沿いへの旗・看板の設置なども検討されています。一方で、チーズは製造できる数にも限りがあるため、単純に販売数を増やすだけではなく、製造量とのバランスを取りながら認知を広げていきたいとのこと。近所の方から視察客、観光で訪れた方まで、「チーズを買いたい」と思ったときに気軽に立ち寄れる場所として、今後も自販機を活用していきたいと考えられています。
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