オーナーは会社員でアーティスト！？
独自の販売商品が無くてもBSを導入したワケとは

今回取材させていただいた工房38様は、お店や企業ではなく、店舗も販売されている商品もありません。また、オーナーは会社員であり、チョークアーティストとしても活躍されています。観光地でも有名な、飛騨高山に位置する工房38様のボードステーション。何故設置しようと思われたのか、どのように使っているのかお伺いしていきます。

Q．何故ボードステーションを設置しようと思われたのでしょうか？

私の住んでいるところは町中で、図書館や児童センターもあって小さいお子さんやお母さんが結構通るんですけど、散歩の時に寄れたり小腹が空いたときに何か買えるようなお店が無かったんですよね。何かあればいいなと思ってたんですけど、私も仕事しながらなのでお店を開くっていうことがちょっと出来なくて…そんな時にInstagramでボードステーションを見て興味を持ちました。
私は普段仕事をしつつ、チョークアートなどで絵を描いたりしていて、私自身販売できる商品があるわけではなかったのですが、物販も色んな商品が入れられるということだったので、お話を聞くことにしました。最初は子供が行く駄菓子屋のようなイメージしてたんですけど、営業さんから話を聞くうちに、駄菓子というよりも飛騨高山のいろんなお店の商品を入れれば皆さん喜んでくれるかな、地域の活性化に繋がればいいな、と思うようになりました。

Q．物販では何を販売されているのでしょうか？

最初はお菓子とかだけだったんですけど、今は毎月2回、月替わりのパンを置かせていただいたりだとか、和菓子屋さんの和菓子を入れたりしています。一人でフリマをやっているようなイメージです。笑
自販機は対面じゃないので、人の温かみを感じられるものにしたくて手描きの温かい雰囲気でPOPを作成しています。

Q．設置してから反響はいかがでしたか？

自販機きっかけでコラボしている商品のお店に来店されることもありましたし、その商品を「美味しかった！」と言ってファンになって、商品を入れる度に毎回買いに来てくださったりする方もいらっしゃいました！商品を自販機に入れさせてくださいという話をしに行ったとき、最初はお店の方はイメージがあまり湧かなかったみたいなんですが、やっていくごとにすごく協力的で、楽しみながらいろんな商品を考えてくださったりします。笑

Q．販売出来る商品の枠は限られていますが、ラインナップはどのように考えられているんですか？

なるべく被らないもので、価格帯もそんなに差が無いようにしています。
イベントをやる時は限定品ということでお値段高くなったりはするんですが、企画ものを作ることもあります。いろんな種類のものをそこに入れるのは大変だったので、ガチャ的な要素を取り入れて何が出てくるか分かりません、といった感じで出しています。今はポン菓子を入れているんですが、通常の味と色んな味をごちゃまぜにした「謎味」を作ったりしています。
うちは飛騨高山で観光地ということもあって観光の方も通ることがあるんですね。自販機前が駐車場になっていて、観光地の方がよく停められるんです。それで、自販機を見て面白がって、お土産がてら買って行かれたりとかはされます。

Q．Instagramにもよくアップされてますよね！そちらでの反響はどんな感じでしょうか？

自販機を導入して発信しだしてからInstagramのフォロワーさんも増えましたね。私がチョークアートを描いているので、その仕事に関連付けた投稿もしたりしています。あと、自販機に置かせていただいている商品のお店から絵の注文とかをもらったりもしているのでありがたいです！
この地域では珍しい取り組みだったみたいで、メディアでも何社かから取材が来て、取り上げてもらったこともありました。放映されてから、「あれを見て来ました！」というお客様も増えました。

Q．もっと収益が上がる形を取るということも出来そうですが？

自分のお店の商品とかだとそれが自分の利益になるんでしょうけど、どうしても小売にはなるので薄利ではありますね。笑　販売価格も大体300円以下でお願いしてますので一個当たりほんと数十円程度。ただ、利益を上げたいというよりどちらかというと、みんなに喜んでもらえたらいいなということでやってますね！マイナスにはならない程度で。笑

Q．デザインのこだわりについて教えてください！

今のデザインは、子供さんからも人気があって「かわいい」って言ってもらって写真も撮ってくださったりとかはありますね。
地域的に観光地ということもあり景観指定があるので、派手なものが置けないんです。通りに面している部分は基本茶色、みたいな…。なので木目調にしました。でも結構市役所に頼みに行って、何とかこの形になりました。笑

Q．描かれているチョークアートはキャラ弁ということですが、何故キャラ弁にされたんですか？

これは、私の子供が親元を離れて学校に行くときに、「応援しているよ」というメッセージを込めて作ったキャラ弁を絵にしたものなんです。こういうキャラクターが応援しているよという意味を込めて描いたので、自販機に買いに来た人にも元気になってもらいたいなと思ってこれを入れました。自分の中でも思い入れがあって特別な絵です。

Q．今後の展開について何か考えられていますか？

お惣菜系とか食事的なものを入れられたらなと思います。車が無くて買い物に行けないお年寄りの方もこの辺にはいらっしゃるので、そういう方の手助けになるようなものを置いたりとかを考えています。

Q．導入を考えられている方へメッセージをください！

お店をやっていなくても、導入してプラスになっているので、可能性が色々あっていろんなジャンルの方とかも取り入れていくのも面白いと思います！